最近ふと子供の頃のことを思い出す。 子供の頃やったことあったな、って。 擦り切れて色あせた記憶の中の一つに 紅白帽を頭にかぶってウルトラマンとかいって・・ ばかやってさ。 あとはそうだなー・・・カレーとかの時に 銀のスプーンをこう・・・両目にあててさ ウルトラマンっていって。 クラスのみんなの笑い声が今も俺の胸の中で 小さくだけど遠いけれど残ってる。 今あいつら何やってるかな、・・・どこにいるんだろ。 携帯の着信履歴は仕事の連絡とかばっかりで たまにまぎれた母親からの元気ですかってメールが 寂しく残ってる。全部、ぼやけたままで。 そんな全ての懐かしいことを振り払い忘れるように 仕事に追われて、生きることに必死で 楽しむことを忘れて・・・毎日を生きてる。 休みの日にアルバムを開いた。 あいつらとバカやってるのと、フレームぎりぎり 見切れたところにうつってる女の子。 俺の好きだった女の子。 友達と笑って、あの子を目で追うだけでドキドキして。 振り返っても、思い出しても もうあの頃には戻れない。 頬を伝う涙は何故だろう。 大人になって、そんな大事な思い出のカケラ全て忘れてた。 アルバムをなぞりよんで甦る鮮やかな記憶。 一緒に取り出した俺のヘタクソな字と絵で記された絵日記には あの子の名前とあいつらと何をしたとか 楽しそうな毎日のカケラ。 素直にあの頃を振り返る。 楽しかった。 暖かかった。 無邪気に笑えた。 全てが幸せに包まれてた。 今こうやって大事なもん切り捨てて汚れた自分からは 想像もつかないような・・・ そんな自分から逃げるように毎日を・・生きてる。 億千万なんて単位じゃ足りないほどの あいつらとの幸せな記憶。忙しさにごまかして見落としてた景色。 あの子が、君が、・・・あいつらがたくさんの勇気をくれた。 過ぎ去った季節は鮮やかにまた蓋を閉じて・・・ また、明日を俺は生きる。懐かしい気持ちと新しい気持ちと共に。