豚が詩を歌っているころ  猿はタバコを噛んでいた  雌鶏、雑にタバコを吸って  アヒルはガーガと鳴いている  昔々、三匹の子豚を産んだ母ぶたがいました。 母ぶたは子豚を育てていくことができなかったので、 子豚達の将来を想って外に出すことにしました。  最初に出ていった子豚Aは藁の束を持った男に出会いました。そこで子豚Aは言いました。 子豚A:「ねぇおじさん、家を建てたいんで藁を頂戴な。」  男は子豚Aに藁をあげました。子豚Aは藁で家を造り、そこに住むことにしました。    程無く、狼がやってきてドアをノックしました。   狼:「子豚さん、子豚さん、中に入れて下さいな。」  それを聞いて、子豚Aはこう答えました。 子豚A:「ダメダメ、ボクのちっちゃなお髭にかけてダメだよ。」 狼:「だったらこの家を、ひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ。」  そして狼は息を吸い、吹きました。  狼は藁の家を吹き飛ばして、子豚Aを食べてしまいました。  二匹目の子豚Bはシダの束を持った男に出会いました。そこで子ぶたは言いました。 子豚B「ねぇおじさん、家を建てたいんでシダを頂戴な。」  男は子豚Bにシダをあげました。子豚Bはシダで家を造り、そこに住むことにしました。  すると、狼がやってきてドアをノックしました。 狼:「子豚さん、子豚さん、中に入れて下さいな。」 子豚B:「ダメダメ、ボクのちっちゃなお髭にかけてダメだよ。」 狼:「だったらこの家を、ひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ。」  そして狼は息を吸い、吹きました。また吸って、吹きました。 やがて狼は、シダの家を吹き飛ばして、子豚Bを食べてしまいました。  三匹目の子豚Cはレンガをいっぱい持った男に出会いました。そこで子豚Cは言いました。 子豚C:「ねぇおじさん、家を建てたいんでレンガを頂戴な。」  男は子豚Cにレンガをあげました。子豚Cはレンガで家を造り、そこに住むことにしました。 やがて、狼がやってきてドアをノックしました。 狼:「子豚さん、子豚さん、中に入れて下さいな。」  それを聞いて、子豚はこう答えました。 子豚C:「ダメダメ、ボクのちっちゃなお髭にかけてダメだよ。」 狼:「だったらこの家を、ひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ。」  そして狼は息を吸い、吹きました。また吸って、吹きました。  何回も吸っては吹き、吸っては吹きを繰り返しました。  けれども、レンガの家を吹き飛ばすことは出来ませんでした。  狼は、レンガの家をいくら吹いても吹き飛ばせないことが分かりましたので、子豚Cにこう言いました。 狼:「子豚さん、カブがいっぱい生えているところをオレは知ってるんだ。」 子豚C:「どこだい?」 子豚Cは聞きました。 狼:「それはね、割賦さんちの畑なんだ。明日の朝起きていてくれたら、オレが子豚Cさんを呼びに来るから、一緒に行って、食事をしようよ。」 子豚C「いいねぇ。じゃあ待ってるよ。何時に会うことにしようか?」 狼:「六時にしようか。」  次の日、子豚Cは五時に起きて、狼が来る前にカブを取ってきてしまいました。狼は六時にやってきて、子豚Cを呼びました。 狼:「子豚Cさん、準備はできたかい?」  子豚Cはこう答えました。 子豚C:「もういいよ! ボクはもうカブを取って来ちゃったんだ。朝ご飯においしいポトフができたよ。」  狼はこれを聞いて、怒ってしまいました。でも、なんとかして子豚を参らせてしまおうと考えて、こう言いました。 狼:「子豚さん、いいリンゴの木があるところをオレは知ってるんだ。」 子豚C:「どこだい?」 子豚Cは聞きました。 狼:「約束の木の下なんだ。もし子豚Cさんがオレにウソをつく気がなかったら、明日の四時に迎えに来るよ。そしてリンゴを採ろうよ。」  次の日、朝四時にはもう子豚Cは起きていて、リンゴを取りに出かけていました。狼が来る前に、家に帰るつもりでいたのです。  ですが、リンゴの木は遠くにありましたし、木に登らないとリンゴは採れませんでした。  その為、子豚Cがリンゴの木から降りようとしていると、狼がやってきてしまったのです。  当然のことですが、子豚Cはとても恐くなりました。やがて、狼が木の下にやってきて、こう言いました。 狼:「子豚Cさん、なんでぼくより早くここにいるのさ! いいリンゴは見つかったかい?」 子豚C:「あぁ、とってもいいよ。」子豚Cは言いました。 子豚C:「キミにもひとつ、投げてあげるよ。」  そして、思いっきり遠くにリンゴを投げました。狼はリンゴを取りに行きました。  その隙に子豚Cは木から飛び降りて、走って家に帰ってしまいました。  次の日、狼がやってきて子豚Cにこう言いました。 狼:「子豚Cさん、今日の昼からBL板でお祭りがあるんだけど、子豚さんは行く?」 子豚C:「あぁ、行くよ。何時に待ってればいい?」 狼:「三時にしよう。」狼は言いました。  それを聞いた子豚Cは、約束より早くお祭りに出かけて、大きなバター缶を買いました。  家に帰る途中、狼がやってくるのが遠くに見えました。子豚Cはもう何も言えませんでした。  ですから、バター缶の中に入り、転がっていくことにしました。バター缶は子ぶたをのせて転がっていきます。  狼はそれを見て、とてもビックリしました。お祭りも見ないで、走って帰っていきました。  そして、子豚Cの家に行って、丘から転がってくる何か大きいものに追いかけられて、とても恐かったことを、子豚Cに話しました。  それを聞いて、子豚Cはこう言いました。 子豚C:「ハハハ、ボクはキミが恐かったんだよ。お祭りに行って、バター缶を買ったんだ。      その後、キミの姿が見えたんで、バター缶の中に入って、転がっていったんだよ。」  それを聞いて狼は大変怒ってしまいました。お前を食ってやると子豚Cに言って、子豚Cの家のえんとつを降りようとしました。  子豚Cはそれを見て、水を入れた深鍋をかけ、火をガンガン焚きました。    そして、狼が降りてきたときに、鍋の蓋を取りました。すると、狼は鍋の中に落ちてしまいました。  子豚はすぐ鍋の蓋してその上に乗っかり、狼を煮てしまいました。  その日の夕食に狼の肉を食べて、そしていつまでも幸せに暮らしていきましたとさ。 ------------------------------------------------------- 元サイト http://www.e-freetext.net/3pigsj.html